COVID-19新型コロナウイルスの流行は危機:あなたはコミュニケーション担当者としてすべての問題を検討しましたか?

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キャシー・ヒーリー著

2020年2月13日

 

COVID-19(コロナウイルス)は、あなたの組織に複雑な影響を与えています。感染の広がる中で、当初の騒ぎで見失っていたかもしれない危機管理の重要な原則があります。 これらの原則に基づいてアプローチすることで、次に起こり得ることへ組織として準備することができます。

状況は刻々と変化しますが、危機管理チームは最悪の事態を想定して継続的に計画していく必要があります。また危機管理チームとコミュニケーション担当者が直面する課題は、この危機対応が来週までに終わるものではなく、今後数か月間は必要になる可能性があることから、その間の経営陣の注意をつなぎ止めることです。

今回の危機と将来の同様な危機を乗り切るために重要な危機管理方法を紹介します。

ガイドライン原則

この記事でもガイダンスの基礎となるCS&A社の‘危機管理の10の戒律’は、あなたの対応が最善となるよう保証する強固な基盤を提供します。

CS&A社の‘危機管理の10戒’

1.問題を早期に認め、早期に伝える

2.悪いことを良く見せることはできないことを認識する

3. 最悪の事態に備える。 危機は、事態が悪化してから後に、良くなっていくものだ。

4.人々の安全を常に優先することを忘れない。

5.点数稼ぎのためにするのではなく、信頼性を保護することに集中する

6.道筋を設定し、ミッションステートメントを作成し、それを守り続ける。

7.問題となること、およびステークホルダーをマッピングし、状況の進展に応じて修正する。

8.利用可能なすべてのチャネルを使用して、ステークホルダーとコミュニケーションする。

9.危機が長引いても、後退して包囲されないようにする。 その場に踏ん張ること!

10.危機の後遺症も管理する。 本当に終わるまで、終わっていないことを忘れないこと。

 

ステークホルダーを知る

正直なところ、今回の危機に対するステークホルダーをマッピングするのを今から開始するのは、少し出遅れています。(このような状況だからこそ)ターゲットに合わせて、メッセージを調整することを怠ってはいけません。

この危機は、ステークホルダーに関して考慮すべき事項があります。ステークホルダーは皆、個人的なリスク要素を抱えています。多くの場所で誰かが少し気分が悪くなり始めると、自分たちは自分自身に尋ねるでしょう。「私は感染したのか?」

すべての人が恐怖による身震いを経験するので、すべてのコミュニケーションが心強く感じられるトーンでなければなりません。個人的な恐怖が根底にあるために、噂や誤った情報がステークホルダーへの影響を増幅します。

ステークホルダーは、その国の文化や地理によっても異なる影響を受けます。政府当局が信頼でき、すでに十分なコミュニケーションをとっている国で、ステークホルダーとどのように関わるかは、その反対の場合の国とでは大きく異なります。

ベストプラクティス

シンガポール保健省は、信頼できる当局として、どのようにレスポンス良く、公衆とコミュニケーションするかの好例です。

彼らは以下をセットアップしました:

•ステークホルダーのグループ(学校、病院、旅行者など)ごとにどんな行動を取ってほしいか明確に定義した専用Webサイトを開設。

•WhatsAppのグループに少なくとも1日2回メッセージを送信し、感染事例を更新。

•主要なリーダーのビデオをソーシャルメディアに投稿し、対応方法に関するアドバイスを提供する。

•同じメッセージを使用して各ソーシャルメディアに投稿。

 

ステークホルダーの認識は現実です

信頼できるデータが入り始めているので、これは本当の危機ではなく、単なる大規模なパニックにすぎないと結論付けたく思うかもしれません。しかし、その脅威が、現実のものであれ、想像によるものであれ、または単に不合理に膨らんだものであれ、あなたの組織の対応が異なることはなく、同じでなければなりません。

つまり、ステークホルダー・コミュニケーションでは、それらの驚異を現実のものとして受け入れ、受け入れた現実に応じてメッセージを作成する必要があることを意味します。その目的は、あなたが彼らの懸念を理解し、彼らの安全を第一に考えていることを示すことがその目的です。

ステークホルダーが認識していること(自分たちが危険にさらされていると認識していること)を否定してはいけません。あなたが危機の潜在的影響を軽視すれば、あなたのメッセージと信頼性が損なわれるでしょう。

 

コミュニケーション、コミュニケーション、コミュニケーション

人々に恐れを引き起こすアウトブレイクのような危機的状況下においては、まず、あなたの組織の発する声明が、ステークホルダーにとって信頼できるものであるという権威を確立する必要があります。あなたの組織がすぐに影響を受けるリスクがほとんどない場合でも、あなたは問題の矢面に立つ必要があります。

メッセージの中身は​​、あなたが主体的にコントロールしていることを伝えるものである必要があります(たとえそのコントロールが弱々しく限定的である場合でも)。そのメッセージを送信するために、何らかの行動を示しましょう。

また、あなたが自分で十分だと思うよりも頻繁に、コミュニケーションを取るべきでしょう。誤った情報が広まり始めたら、すぐに反応し、報告すべき新しいニュースがないときでも既存のメッセージを繰り返し発信してください。

ここでの課題は、安心を与える一方で十分に深刻さが伝わるトーンをどのように打ち出すかです。オフィスで誰かが咳をして早退した場合、あなたは他のスタッフには何を伝えますか?

最悪の場合を想定して計画する

今、あなたのチームが集まって、COVID-19の危機と、それがあなたの組織とステークホルダーに与える潜在的な影響について検討していると仮定しましょう。ステークホルダーのエンゲージメントが機能しており、あなたは適切なタイミングで適切なトーンでコミュニケーションを取り、適切な影響を与えています。

(そのような状況で)何か間違いが起こる可能性がありますか?そして、もしうまくいかないことが起きたら、あなたは対応する準備ができていますか?

つまり、あなたたちがまず検討すべき「もし何か」とは、「明日、別の危機が組織に影響を与えるとしたら」ということです。

COVID-19危機により、実際にこれが起きる可能性が高くなります。なぜなら人々は怖がっているとき、より悪い決定を下して過剰に反応する傾向があるからです。危機管理チームの注意を必要とする他の何かが発生した場合に、あなたはどのように必要なリソースを集め、適切に優先順位を付けますか?

もう1つ、慎重に検討する必要がある「もし何か」とは、重要な施設の従業員の一人が隔離入院された場合に、どう管理するかです。このウイルスのテスト手順は、幸いなことに以前の似たような流行のときよりもはるかに迅速ですが、テスト結果が判明するまで他の従業員に知らせるのを待つだけの余裕はありますか?人々の安全を最優先にすることを確実にするには、どうすればいいですか?

さまざまなステークホルダー・グループに配慮する

すべての対面会議を禁止することを、サプライヤーたちに通知した組織があります。 そのようなメッセージで正しいトーンを打ち出すことは困難です:なぜサプライヤーたちだけ特定して特別な扱いをすべきなのか? サプライヤーたちは重要性が低いということですか? 彼らはより大きなリスクであるというのですか? 特別な扱いのためにステークホルダー・グループを選び出す場合には、その理由を明確にし、それが全体のメッセージングおよび長期戦略の目的と合致することを確認してください。

人々を第一に

今回の危機は世界的に大きな経済的影響があるでしょう。それでも、人々と環境の安全性を優先しなくてはなりません。

これは、予期せぬ展開で問題になる場合があります。たとえば、スタッフが無給休暇を取ることを義務付けるキャセイパシフィック航空の決定(*下記URL)は、どう影響するでしょうか。それは恐らく必要な決定でしたが、賢明でしたか?

https://www.marketwatch.com/story/cathay-pacific-tells-staff-to-take-unpaid-leave-due-to-virus-outbreak-2020-02-05

潜在的な長期的影響

私たちはすでに、罹患地の日常生活において人々の相互のやり取りが急激に減少していることを目の当たりにしています。スタッフは自宅で働いているか、そうでなくともマスクを身に付けて物理的なバリアを張っています。人々は、ビジネスや社交目的のために会うことをしていません。こうしたことがステークホルダーのコミュニティに与える潜在的な影響と、このような孤立の影響に対抗するために取るべき措置があるかどうかを検討してください。

英国を拠点に事業継続計画(BCP)のトレー​​ニングを提供する会社であるBC Trainingは、「大流行時における運営体制」の概念を開発しました。この種の危機がより頻繁に発生する可能性が高まるということは、あなたの組織にそのような体制を作ることを検討する必要があるということでしょうか?

この危機を乗り切るなかで、これら危機管理の基本原則を定期的に振り返ることは、あなたのコミュニケーション力を研磨し、また、組織の回復力を保つのに役立つでしょう。

 

キャシー・ヒーリー

キャシー・ヒーリーはシンガポールを拠点とするCS&Aインターナショナルのアソシエイトです。 オーストラリアの一流法律事務所での20年以上の経験と、アジア太平洋地域を担当するクラフトフーズ、モンデリーズインターナショナル、クロダ、シンジェンタの社内法律顧問として、彼女は危機管理に幅広いスキルを備えています。 彼女は、捜査機関、税、税関、食品安全、腐敗、宗教、植物の安全性、および食品業界と化学産業の労使関係における政府規制当局が関与する危機管理をしてきました。

Source: https://www.iabc.com/the-covid-19-outbreak-is-a-crisis-have-you-considered-all-the-issues/