創造性を磨き続ける5つのポイント

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2016年5月3日 サム・ハリソン
コミュニケーション手法により力強さや引き付け力を足すのに個性的な創造力を付け足すことほど自由度の高いことはありません。戦略やコンテンツは完璧でも創造性の満ち引きによって、その仕事が輝いたり、注目を集めたり、眠気を誘うことにもなります。
創造性は一部の限られた才能ある人にのみ備わっていると思われがちですが、実は全ての人間に備わっています。筋肉を鍛えるように、常に想像力を燃焼させることがコツです。
創造力を鍛えるのに、下記の5つのポイントを参考にしてみて下さい。

1. 好奇心を持つこと
多くのプレゼンテーション手法や創造性について執筆してきましたが、様々な分野の創造性の高い人達と多く会って来た中で、彼らの共通項は、好奇心旺盛だということです。(実際、彼らに質問している時にあまりにも多くの質問を受けて、どちらがインタビューをしているのか、分からなくなることがあります!)
創造性を作り出す燃料が好奇心です。世の中を見渡しながら得られる洞察や思いつきを私達は発想力に与えています。
「好奇心のある人は自己成長し、自ら物事を創り上げる」とインターネットソフトウェア会社・サイトリックス社長のマーク・テンプルトン氏はニューヨークタイムズに語っています。
<ポイント> 常に好奇心を保つ習慣は練習によって得られます。仕事中でも街中歩いている時でも常に立ち止まり、周りを見て聞くようにしましょう。周囲の人は家族や友人だけでなく知らぬ人にも気を留めてみましょう。アンディ・ウォーホルの有名な引用句で「通常退屈させられるつまらぬことに、ちょっとした事で突然ワクワクさせることが大切だ」というのがあります。

2. 勇気を持つこと
近代美術館のキュレーター、パオラ・アンテネリ氏は以前、スティーブ・ジョブスのことを「才能、ビジョンと根性の見事な調和を持った天才」と評したことがあります。ジョブスが持っていたビジョンと才能で革新的な技術を作り出しましたが、彼の揺るがぬ勇気がなければ、今のアップル社はなかったでしょう。
創造性を作り出すのは女々しさではなく、拒否されるかもしれないアイディアを信じること、またそのリスクに値します。
<ポイント> からかいや批判されるのが怖くて、突き進められなかったアイディアはありませんか?過去のアイディアで目新しさや価値あるものがあるのでは?勇気を出して批判を恐れずに発表してみましょう。(あまのじゃくに負けないで!)

3. 寛大な心を持つこと
創造性はチームプレイで成り立ちます。他の人と見識や意見を交換することによって創造性は磨かれます。
自分のアイディアをシェアし、また人のアイディアも受け入れられるようにしましょう。ハーマンミラーの伝説的リーダー、マックス・ディプリー氏は著書「リーダーシップの真髄」で野球を用いて説明しています。「速球投手がいても、その速球を受け止める人がいなければ、活躍できない」。同様に溢れ出るアイディアは受け止めて、よく注意して聞いてくれ、すぐに判断を下さないキャッチャーが必要です。
<ポイント> 仕事でアイディアを受け入れる雰囲気を作りましょう。自由に意見を述べ、周りの人の意見もよく聞きましょう。しっかりとした新鮮なアイディアには惜しみなく賞賛を与えましょう。また創造性に溢れた本、記事、ブログ、ウェブサイト、動画、フィルム等をシェアできる人達とのネットワークを築き上げましょう。

4. 遊び心を持つこと
仕事柄、様々な会社を訪問しますが、廊下を歩いているだけで、その会社に創造性が溢れているか否かはすぐに分かります。なぜならあちこちから笑い声が聞こえ、元気のいい会話が盛り上がり、仕事スペースには変わったものが飾られています。ビジネスと遊びを上手く融合させているのです。
クリエイティブであることは少し子供心を持つこと、決して子供っぽくあることではありません。夢見て単純な質問をし、自分のことを笑えることが大切です。本当の創造性を保つには子供が持つ驚きの感覚が重要です。
その感覚はすぐに身につくものではありません。多くの場合、子どもの頃にその感覚を無くす様に訓練されているからです。Psychology Todayの前編集者であるロバート エプスタイン氏はScientific American誌の<創造性を解き放つ>インタビューで次の通りに答えています。「子供の頃、皆、創造性を発揮しているのに、小学校1年生頃になると、あまり見られなくなります。その理由は社会性です。学校で夢見ることを止めさせられ、バカな質問を禁じられ、やるべき事に取り組むように教えられます。その結果、新しいアイディアを表現することがなくなります。」
<ポイント> 仕事は真面目にするべきですが、自己に対しては真面目になりすぎないことです。笑ったり、簡単な疑問を持ち、ブレストの時には思いっきり枠を外してアイディアを出しましょう。また仕事場を見渡し、遊び心を刺激するようなアートワークがあるか探してみましょう。

5. 根気強さを持つこと
いつもベストなアイディアが実現するとは限りません。最後まで根気よく繰り返した人の意見が通ったりします。
創造性はプロセスでしかなく、アイディアの種はそのプロセスの始まりでしかありません。フェイスブックではマーク・ザッカーバーグの経営理念の一つに「その道のりは1%完成した」という表現があります。道のりを成し遂げるには勇気を持ってアイディアを信じ抜くことです。
ゴール近くになると、決定権者に向けて効果的にプレゼンしなければなりません。マーケティング教祖のセス・ゴーディン氏は「アイディアは善し悪しではない。そのアイディアを実現させる為にどのように見せるかが大事だ」と述べています。
<ポイント> 過去に批判され、拒否されたアイディアを見返してみましょう。更にそのアイディアに足せることがあれば、突き進めましょう。プレゼンスキルも重要です。スピーチレッスンを受けたり、本を読んだり、ビデオを見たりしましょう。プレゼンを上手くなるには、練習、練習、練習あるのみです。他の人からのフィードバックに耳を傾けることも大切です。世の中ではあなたの創造性が求められています!あなたのアイディアに信念を持って、是非、プロのようにプレゼンしてみましょう。

サム・ハリソン 
サム・ハリソンは人気の講演者で、創造性関連やプレゼンテーションスキルについての著書が多数。IABCでもスピーカー認定されています。著書には、 IdeaSelling, IdeaSpotting, and Zingなど。詳しくはwww.zingzone.com.

出典元:http://cw.iabc.com/2016/05/03/5-tips-keep-creativity-soaring/