カスタマー・サービスにおいて、あなたは自分が思うほどよくできてはいないが、あなたはよいカスタマー・サービスを提供する必要がある

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4月6日 ジェイ・ベアー

あなたが家族経営の店舗で働いていようが、グローバル・ブランドで働いていようが、憎まれ口をたたく人(haters)は存在するのです。そしてあなたは彼らを無視することはできません。不平を受け入れることで、このhatersをあなたのために働かせたり、悪いニュースを良いニュースに変換するのです。

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今日では、自社のhatersを取り込み、協力させることは特筆すべきことであり、競合他社との差別化につながります。

カスタマー・サービスと、カスタマー・エクスペリエンスは重要です。そして今後さらに重要になっていきます。現在、世界は20年前では考えられなかったような交通手段と技術手段により、密接不可分です。このグローバルな相互接続性は、価格や地域の優位性を弱めます。価格と地域の優位性によって、ビジネスは市場非効率を創出し、不均衡な顧客シェアを得ていました。

なぜ私はいつも同じ店でピザを注文するのか

インディアナ州のブルーミントンを例に挙げます。私が住んでいるこのこじんまりした大きさの大学町には、たくさんの銀行があります。そのすべてが、主要なサービスについてはほとんど変わらない内容を、ほとんど同じ料金で提供しています。商品と価格の観点からは、これらの銀行はほぼ区別がつきません。

近隣にはさらにたくさんのピザ店があります。ほとんど同じものを同じコストで提供しています。なぜなら、同じサプライヤーから同じ値段でピザの内容物を購入していて、同じ労働人口を活用して、大学生にピザを作らせるのに同じような額の賃金を支払うからです。また、私の会計士とあなたの会計士、私の理髪師とあなたの理髪師はほとんど同じ内容を、ほぼ同じ料金で行っています。

今日、ビジネス間における意味のある相違点は、価格や製品が理由であることはほぼありませんが、その代わりに、カスタマー・エクスペリエンスにひもづいています。各サービス提供者と接する時、あなたはどのように感じるでしょうか?際立った人やモノの提供、顕著なカスタマー・エクスペリエンス(ブランド・ブロミスの実世界での具現化)、そこで偉大な企業は輝き、そうでもない企業は沈むのです。

なぜ、私はいつもブルーミントンの同じピザ屋で注文するのでしょうか?なぜなら、私は町外れに住んでおり、そして彼らは私の家まで喜んで配達してくれるからです。他のピザ屋の多くは私に簡潔に「配達範囲外です」という言葉を投げ、ピザの配達を断るのです。

2020年までには、カスタマー・エクスペリエンスは価格よりも重要になる

明日の勝者は、その顧客がたとえ余分に支払いが必要になったとしても、最高の気分にさせることができる企業です。このことは、消費財、旅行業、ホスピタリティ産業だけに限ったことではありません。

カスタマー・インテリジェンスについてのコンサルタント会社、Walker社は、B2Bビジネスにおいては、シナリオ、カスタマー・エクスペリエンスは2020年までに価格よりも重要となる、という調査レポートを発表しました。

この調査レポートは、「B2B分野で勝利をおさめる企業は、この動きを認識し、適切なリソースを調整し、適切な基準に照準を定めることによって、準備を始めています。気づきを得た企業は、カスタマー・エクスペリエンスを戦略的な取り組みと見なさざるを得ません。そして、将来的には、顧客へのたゆまぬフォーカスを創りだすことだけを目的に従事する、”チーフ・カスタマー・チャンピオン”の職責は、さらに一般的になるでしょう」と述べています。

競合よりも愛することで凌ぐ

著名なカスタマー・サービスのコンサルタントであり、アドバイザーであり、The Customer Service Revolutionの著者であるJohn DiJulius氏は、この差別化要因を「競合よりも愛することで凌ぐこと」と述べています。彼がその著作で書いているように、「” 競合よりも愛することで凌ぐ"という言葉は、私の大好きな言葉のひとつです。考えてみてください。ほとんどすべてのものは – 製品でもサービスでも、装飾物、ウェブ機能、メニュー、価格- コピーすることが可能です。あなたは本当に競合他社よりもよい仕事ができていますか?彼らよりも深く考えていますか?恐らく答えはノーでしょう。しかし明らかに競争優位に立てる唯一の方法は、競合しているビジネスの誰よりも愛することで凌ぐことです。そしてそのためには、顧客との付き合いの難しさについて月並みに不平を言うことはやめて、顧客に感謝することから始めるのです。

とは言え、真にあなたのビジネスをカスタマー・エクスペリエンスをもって差別化するには、カスタマー・エクスペリエンスにおいて競合他社をはるかにしのがなくてはならない、と理解すべきです。「よりよいカスタマーサービス」についてコミットするだけでは仕事は終わりません。Walker社が提唱しているように、あなたは「顧客へのたゆまぬフォーカスを創出する」必要があります。

不平を活用する

包括的なカスタマー・エクスペリエンス・プログラムにはたくさんの要素があります。カスタマー・エクスペリエンスにおいて、あなたのビジネスを差別化する第一歩は、不平をどのように活用するかの点で、あなたの競合他社よりも実証できるくらいに優れているか、ということでしょう。

その点からスタートして、そしてもしあなたがhatersをなだめることに成功したら、全面的なカスタマー・エクスペリエンス優位まで道が開けるでしょう。そのカスタマー・エクスペリエンス優位はまさに、価格と地域がもはや決め手にはならない、存在すらしない、今後5年間で繁栄するビジネスの差別化要因になるでしょう。

カスタマー・サービスは新しいマーケティング

以前Discover社で要職を務めていたDan Gingiss氏は「私たちは、カスタマー・サービスは新しいマーケティングだと、強く信じています。Discover社は80年代のその設立以来、カスタマー・サービスを重視しています。Discover社は、24時間365日サービスを提供する最初のクレジットカード会社でした。サービスに注意を払い、そしてサービスに優れています。サービスについて、テレビで発信しています。最近の二つの主なテレビ・キャンペーンは、サービスについてのものでした。そして、私は、オンライン上の不満はDiscover社にとって、その素晴らしいカスタマー・サービスを公の場で – テレビでも、ほかのどの媒体でも実現できない場で- 証明する機会ととらえます。もし誰かが、私がその解決方法を知っている製品や、クレジットカードについての問題を持っているなら、それは私には好機なのです。」と述べています。

Jay Baer ジェイ・ベアー

ジェイ・ベアーはデジタル・マーケティング業界で23年の経験を有し、フォーチュン500のうちの32社を含む700社のコンサルティングを行ってきました。彼の現在の所属先であるConvince & Convert社は、デジタル・マーケティングと、オンライン・カスタマー・サービスのアドバイスを提供し、国連、Allstate、Cisco、Cabela’sといった世界の主要ブランドに助言を行っています。彼の新しい著作、Hug Your Hatersはカスタマー・サービスのマニュアルで、規模の大小に関わらず、爆発的に増え続けるオンライン上の不満と、カスタマー・フィードバックから、企業がどのように利益を得るのかについて示しています。

原文記事はこちら:http://cw.iabc.com/2016/04/06/youre-not-as-good-at-customer-service-as-you-think/