ワークショップ”Communicators High”Vol.4を実施しました

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IABCジャパンは5月29日、赤坂区民センターで、広報などの企業コミュニケーションに関わる人たちを対象にしたワークショップ “Communicators High"Vol.4を実施しました。
今回は、参加者それぞれの立場でとらえた「顧客」を図で表現したり、持ち寄った「課題」と結びつけたりしながら、全員で共有してフリーディスカッションする形で進行しました。ファシリテーターを務めたのはIABCジャパン理事の下平です。

「PR」の目的は何か。「宣伝」と近いニュアンスで使われてしまうこともある言葉ですが、これまでメンバーズブログでも紹介してきたように、関係性を構築し、維持をするマネジメント機能だと定義づけられています。

そこで、自分や自社にとっての顧客が誰かを考えることを起点にしました。洗い出した顧客について、自分や自社と顧客との関係性を参加者それぞれが「図」で表現し発表。図にすることで、それぞれが思い描く関係性のイメージを共有することができました。
たとえば顧客の捉え方も多様で、ステークホルダーの「立場」だけでなく「志向性」で表現してみたり、関係性の図も立体で表してみたりする参加者がいるなど、刺激に富むものでした。

続いて、図で表した顧客との関係性と、事前課題で持ち寄った「ビジネス・コミュニケーターとして、いま私が抱えている課題」とを結びつける個人ワークを実施しました。
単なる情報伝達ではなく課題を自ら創り出していきたい、今後の事業やキャリアの方向性、社内報を通じた社内コミュニケーション活動の再検討、上司と経営層とのすり合わせ、もっとも重要視すべき貢献対象が誰なのか、など、それぞれが出し合った課題を基にディスカッションしました。

また、ビジネス・コミュニケーターとしてのキャリアを歩むうえでの課題についても考え、目の前の仕事に取り組むうえでのモチベーション、高度専門職人材になり得るか、「賞」などのフィードバックをどのように捉えるかなど、幅広く議論しました。

広報業務は、メディア・リレーションズがいわば聖域化されている側面は否定できないことかもしれません。マーケティング・コミュニケーションの中に位置づけられることも少なからずあります。
ところが、今回のディスカッションでは、参加者からメディア・リレーションズに関する課題が出されることはなく、「社内コミュニケーション」や、ビジネス・コミュニケーターとしての「キャリア」に自然と焦点化されていたように思われます。

いわば偏りのある広報の概念をいったん問い直し、広報を哲学する場がIABCにはあります。

今後もIABCジャパンのイベントにご参加ください。