コミュニケーションによって自社の事業課題の解決に貢献する

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さて、ビジネスコミュニケーションとは何か?ということですが、もちろん正確な定義を求めることが目的ではありません。そうした問いが豊かな果実をもたらすという期待に基づいて、もうしばらくあれこれ考えてみたいと思います。

ちなみに、ビジネスコミュニケーションではなく、コミュニケーションビジネスというとどんな感じがしますか?コミュニケーションによってビジネスをする ( 飯を食う ) という感じになって、従来の広告代理店やPR会社の仕事をいっているように感じませんか。これはほとんど言葉遊びの世界ですが、それと対比してビジネスコミュニケーションとは何か、考えを起動させるきっかけにはなりそうな気がします

ここでは事業会社の企業コミュニケーションを担当する部署を念頭に置いて、ビジネスコミュニケーションとは 「 コミュニケーションによって自社の事業課題の解決に貢献すること 」 と、とりあえず定義してみましょう。かなり大風呂敷のようですが、実はけっこういい線ではないかと私自身は思っています。

それでは対処すべき自社の事業課題とはどのようなものでしょうか?

これは、掛け値なしに “何でもよい” といってよいのではないでしょうか。まず何でもいいので (もし強いて順番をいうのなら会社にとっての重要度、緊急度などに合わせて) 課題を俎上 (そじょう) に載せて、次にその解決にコミュニケーションがどのような貢献ができるのか、もしくはコミュニケーションによって解決するのが効率的かどうか、検討すればよいと思うのです。逆にコミュニケーションという手法になじむか否かかという視点で、おざなりに、あるいは惰性で課題を振り分けると、これまたいわゆる目的と手段の混同が起こりやすいのではないでしょうか。ちょっと抽象的になってしまいましたが、課題か手法か、どちらから考えるのか・・・考えるベクトルというか順序というのは結構大切だと思うのです。(2012年2月24日)

そもそもIABCとはInternational Association of Business Communicatorsなのですが、いったいビジネスコミュニケーションとは何を指すのでしょうか?また、そのように概念化することによりどのようなメリットがあるのでしょうか?IABC本部の考え方を参照しながら、また時にはまわり道を怖れずに、少しずつ考えていきたいと思います。

 下平博文
IABCジャパン理事 (花王株式会社)